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第8話 皇女宮は俺を夫と認識した

last update Date de publication: 2026-09-15 10:45:16

第8話 皇女宮は俺を夫と認識した

『魂約の成立を確認した。新たなる男主人の帰還を歓迎する』

 皇女宮から聞こえてきた声は、百年ぶりに待ち人が帰ってきたかのように弾んでいた。

 俺には古代宮殿が発する言葉として理解できたが、リシアや法務官シルヴィアにとっては、宮殿全体が突然揺れ、壁や床の魔法文字が一斉に輝き始めたようにしか見えなかったらしい。

 応接室の扉がひとりでに開き、廊下に飾られていた花瓶や絵画が次々と移動していく。古びていた銀色の燭台には青白い炎がともり、壁に積もっていた細かな埃まで風にさらわれるように消えた。

 長く眠っていた皇女宮そのものが、俺とリシアの魂約をきっかけに目覚めたのだ。

「遥人、何が起きている。宮殿は何と言っているのだ」

「新しい男主人の帰還を歓迎すると言っている」

「男主人だと? おまえは三か月間の婚約者であって、この宮の主人ではない」

「俺に言われ

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